サッカー部アイルランド合宿(その1)

 

7月21日(金)
フランクフルト経由で、予定より10分ほど早く無事ダブリンに到着。22:40にバスで駿台アイルランド国際学校に到着した。さすがに、長旅の疲れがあるようだが、明日からは早速練習と試合が組まれている。
ダブリン空港に到着
アイルランド国際学校での入寮式
   
7月22日(土)  
一夜明けて、早速10:00から練習開始。まず、コーチをしていただくEamonさんとYoungさんに一同挨拶。これに対し、規律正しく、有意義な練習をして欲しいとのEamonさんからの指示があった。加えて、「今回の合宿に何故参加したのか、そして自分自身にとっての合宿の課題・目標は何かを書いて欲しい」という注文、コーチの方も真剣な表情。

EamonさんもYoungさんも元アイルランド代表選手で、Youngさんは現在U21代表のコーチも努めるという、アイルランドのトップ指導者。因みに、アイルランドは2年前にU18とU16で欧州チャンピオンになっている。
まずは、体ならしから
朝から快晴、ただし気温は摂氏20度
 

今回のコーチ陣

右からYoungコーチ、Eamonコーチ、それにアイルランド国際学校の中林先生

 
   
午後からは、学校から約30分の場所にあるEdenberryという町のチームと対戦。最初16歳のチームと高1・2が、ついで17歳のチームと高2・3が対戦。まずは入場と国家斉唱、選手紹介、ペナント交換などの儀式のあと、早速試合となった。

開始前には身長に勝る相手に少々気後れ気味だったものの、いざ始まると互角以上の戦い。結局、第1試合は、、福井、松村のアシストを受けた吉沢がハットトリックの活躍で3−2で勝利。2試合目は、笠原と上ノ園が1点ずつ入れて、2−1で勝利した。
この日のMVPには笠原と、ゲームメーキングのセンスが光った田中が選ばれた。
合宿最初の試合を落としたくないと気合が入る
長旅の疲れがあったものの、実力発揮で2連勝!
 
7月23日(日)
日曜日にもかかわず、午前中は練習。午後からは、アイルランドのSt. Patrick's Athleticと英国プレミア・リーグの中堅West Ham Unitedの試合を観戦した。

試合は、98年のフランスW杯で大活躍したクロアチアの名手スーケルが移籍してきたばかりのWest Hamが押し気味に薦めるものの、ゴール前での決定打に欠ける。スーケルなど主力選手は出場していないこともあり、試合の内容としてはごく標準的なものだったかもしれない。結局West Hamが1−0で勝利、生徒にとっては良い休息とリラクゼーションになったようだ。
 
サッカー場で
 
   
7月24日(月)
午前中はアイルランド校で練習。

この日の試合は、18:00から。相手は、昨日試合を観戦してSt. Patrick Athleticのユース・チームで、場所はダブリン郊外。この試合、主審の判定がやや日本サイドからは納得いかない場面があり、選手には多少不満もたまってしまったようだ。相手のオフサイドをとってくれないので、駿台には不利になる。そんな理由もあって、高1・2のチームは、先行を許し、途中追いついたものの、結局2−1で負けてしまった。

続く主力チームの試合でも状況は同じで、どうも判定がしっくりこない。それでも先に2点をとったが、後半になり主審の判定に我慢ができない部分が出てきて、選手は少々冷静さを失ってしまった面が出た。この結果、結局2−2のドロー。不本意な結果となった。駿台としては、ヨーロッパのチーム、外国人の審判との対戦経験豊富とはいえない。国際化著しいサッカーの世界である。やはり世界には様ざまなサッカーやジャッジがあることを知るのも、必要なことではある。今回の試合はひとつの教訓になったかもしれない。

疲れきった選手が学校に戻り遅い夕食を済ませると、すでに時計の針は11時をまわっていた。ゆっくり休んで、明日からもがんばって欲しい。
試合に臨む選手たち
会場には保護者からの横断幕
ハッスル・プレーもあったが、
かなりタフな試合となってしまった
 
7月25日(火)
午前中はアイルランド校で練習。昨日の疲れと悔しさがどこまで抜けているだろうか。

今日の試合の相手は、今シーズンアイルランド・リーグで1位だったShelbourneのユース。ともかく、施設が立派で、芝のピッチを4面ももっている。このチームは、昨日のSt. Patrick's に比較すると、紳士的なプレーで知られている。と当時に、グイングランドのプレミガ・リーグ、特にマンチェスター・ユナイテッドと太いパイプを持つといわれ、目立った新人はいち早くマンチュエスターから声がかかるということだ。

試合の方は、高1・2のチームは2−2で引き分け。しかし、高2・3チームは堂々の戦い。相手はこんなはずではと焦りも見えた。結局、2−0で駿台が勝利。名門Shelbourneはこんなはずではとがっくり肩を落としていた。駿台としては、気持ちの良い快勝、自信につながったはずだ。
   
7月26日(水)
午前中は、軽い練習で、午後はアイルランド入りして初めての休息となった。St. Patrick'sとの激しい戦いでけが人も出ており、この休息はぜひとも必要だろう。

午後からは、待ちに待った(?)ショッピングに出かけた。アイルランドはサッカー用品が安いといって、高1・2年生は欧州各国の人気チームのユニフォームを購入していた。ボールを買っていた生徒もいる(日本円で800円くらい)。ただし、ユニフォームはサイズが無くて苦労している生徒が多かった。やはり、日本人の体格は華奢に見える。高2・3年生には、買い物をせず、ひたすら食べていた人もいたようだ。

その後、ダブリンの中心街で自由時間をとり、各自夕食。そして、2度目の試合観戦に臨んだ。今日の試合は、昨日対戦したShelboureの親チームと、スウェ−デンのプロであるローゼンボーグとの試合。実はこのマッチは欧州カップの 予選二回戦で、Eurosportsで生中継された。さすが相手はプロチーム、Shelbourneのミスを見逃さず、開始早々に1点。また、左ウイングの選手は技術スピードともによく、アイルランドのディフェンダーをたくみにかわしてチャンスを作る。前半2−0で終了。後半Shlebourenも1点返したものの、終業間際に追加点を許し、結局3−1で終了した。前回見た試合より、格段に見ごたえがあったようだ。
いいろなチームのユニフォーム、ただしサイズが無い
道具の安さにびっくり
ダブリンの中心街で
サッカー観戦、今日のはおもしろそう
 
石島先生も満足の試合だった
 
 
7月28日(金)
いよいよアイルランドの練習・試合も今日が最後。昨日の休養の後、午前中はやや軽めの練習。午後は、地元ニューブリッジのチームとの試合となった。 この日の試合は、地元選出の国会議員パワー氏も観戦。 少々緊張の開会セレモニーがあった。

試合の方は、駿台が終始押し気味。ただし、ミスもあって、高1・2チームの試合は終わってみれば5−4の辛勝。高2・3チームの試合は、少々ニューブリッジ側のアンフェアなプレーも目立ち、先日同様冷静さと意欲を失った面が響いたため、結局2−2のドローとなった。実力差を知った相手が、少々無理をしたという印象の強いゲームで、確かに後味は悪いが、駿台の高1が休息に力 をつけてきたのがよく分かる試合だった。

試合の後は、学校でサヨナラ・バーベキュー。食事が終わるころには日が暮れていたが、選手はお世話になったコーチと別れを惜しんでいた。
国会議員も登場、選手と握手
かなりタフな試合となった
 
暗くなったが、最後に記念撮影
 
 
7月29日(土)
早朝04:20に起床し、05:00に学校を出発。途中、アムステルダム、フランクフルトと乗り継ぎ、14:00前にハノーヴァーに到着。フランクフルトは大雨。ハノーヴァーの空港で姉妹校のヴュスト先生に会い、ハノーヴァー万博を見学。天気は急に回復してきた。今日は、今回の合中、グラウンドでボールを蹴らない唯一の日となる。

万博の方は、まず日本館を見学。全館がほぼ紙でできていて、博覧会終了後はリサイクルされる予定ということだが、中の展示の方はドイツ語のヴィデオばかりでやや退屈。この後、一旦解散して自由行動となった。生徒の多くは、欧州各国のパヴィリオンがある東ブロックまで足をのばしたようだ。会場はさほど混雑しておらず、その意味では見学しやすい博覧会だった。会場のいたるところにソーセージ・スタンドがあり、なんともいえない良い匂いが漂っていたのが「ドイツ的」だった。