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今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第十六回 2005年9月  
ボイル BOYLE

ロスコモン州北部のマーケットタウン、ボイルは、地味ながら、農業地帯の中心地として、また釣りや史跡などの観光の拠点として、静かに発展しています。訪れたのは夏が終わったと感じさせるような、雨模様の平日の夕方。田舎の人は夕食が早いですから、6時頃は人通りもあまりなく、静かで、しっとり落ち着いた町でした。


広場 は、丘の上にあり、町の中心は、この広場から下の方に向かって広がっています。広場が何となく町のシンボルという感じですが、実際は殆どが駐車場になっていて、風景としては今一つ。シンボルである時計台は、なかなか立派で、時計もきちんと動いていました。

キング・ハウス という巨大な建物が、町の中心にあり、入場料を取って観光客を迎え入れています。それほど古そうにも見えないし、外観も大きいだけで特に際立った特徴もなく、実際、一時は取り壊されて駐車場用地になる予定だったそうです。しかし調べていくうちにその重要性がわかり、こうして保存されることになったもの。キングというのは王様ではなく、このあたり一帯を支配していた英国人の姓。

ボイル修道院 は、町はずれの旧国道沿いにある、この地域で最大級の貴重な史跡。1161年創設のシトー派修道院の跡で、このタイプでは最も良く原型をとどめているそうです。アイルランドの多くの史跡の例に漏れず、クロムウェル軍によってだいぶ破壊されてしまったらしいのですが、それでもまだかなりの部分がこうして立派に残っています。

 は、町のすぐはずれでもこのように飼われており、のんびりと草をはんでいます。流石は小さな町で、町をちょっとでも出ると、すぐにこんな光景が広がっている、寂しくも長閑な農村地帯。典型的なアイルランドの田舎町ですね。

タイル模様 とでも言ったらいいのでしょうか、これは。アイルランドの昔ながらの町で時々見かける、ショップフロントのスタイルで、いかにも時代を感じさせるのですが、不思議な味がある、と思いませんか。決して高級な感じではなく、どちらかと言うと庶民的。それでいて安っぽくもなく、どこか暖かみが残るような、この独特の雰囲気。それほど一般的ではないものの、アイルランドの町で、たまにこうして見られるのです。

ロック・キー は、ボイルの町の東3キロの所にある湖で、湖を含む周辺が350ヘクタールの広大な森林公園になっています。何と1959年まで、英国人キング家所有の私有地だったというから驚きます。国道沿いにゲートがありますが、そこから湖畔までがまたかなりの距離で、車がないと行くのも大変。そんな場所ですし、平日の雨模様の夕方、人もいないだろうと思ったら、結構な車が停まっていて人もパラパラいてびっくり。皆、何をしているのでしょう。人間を見ると餌をもらえると思って集まってくる鴨たちは、愛嬌たっぷり。晴天の夏の日に来れば素晴らしい所に違いありません。

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