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今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第十五回 2005年8月  
ダウンパトリック DOWNPATRICK

かつてのダウン州都、ダウンパトリックは、その名の通り、セント・パトリックゆかりの、史跡あふれる町。なだらかな丘の中に静かにたたずんでいます。ここはまた、アイルランド最東部に位置しています。


ダウン大聖堂 は、丘の上にあり、アイルランドでは中規模のもの。Church of Ireland の教会で、ミサは週1回、日曜の11時半だけ。それほど信者は多くないようです。参列する席が全てボックスになっているのが珍しく、これは一家族ごとに各ボックスに入るのだそうです。セント・パトリックの時代からの歴史があるものの、現在の建物の大部分は19世紀の築だそうです。

セントパトリックの墓 が、その大聖堂の建物の横にあります。もっともこれが本当に西暦461年という大昔に亡くなったセント・パトリックの墓なのか、正確にはわからないとのこと、それはそうでしょう。見た印象は、立派な大きな石ですが、随分新しい感じがします。郊外のソールに埋葬されているという説もあります。まあ殆ど古代史に属する昔の話、いずれにしてもロマンを誘いますね。

博物館 が2つ。一つが昔からある、ダウン・ミュージアム(写真右)で、公営のためか入場無料で、地域の歴史などを展示しています。対する写真下は、セント・パトリック・センターという、今世紀になってオープンした新しい観光施設で、入場料は大人£4.90と、それなりに高いです。いずれにしても、セント・パトリックゆかりの地として観光開発も盛んなようですが、夏の観光シーズンの日曜日なのに、訪れている人も多くなく、観光客って大部分が限られた著名な場所にしか行かないのだなあと実感。

蒸気機関車 が走っています。ダウンパトリックには、その昔、ベルファーストからの鉄道路線がありましたが、1950年代に廃線となりました。今、その廃線跡の一部を使って小さな蒸気機関車が客車を牽いて、観光用として走らせています。発着地は昔のダウンパトリック駅で、今も当時の駅舎やホームなどがそのまま残っています。左の写真は、丘の上から俯瞰して長めた駅で、小さい機関車ながら、モクモクとかなりの煙を吐いて本格的です。日曜なので、近隣からと思われる家族連れなどがかなり訪れていました。

町並み はおだやか。全体的にゆるやかな起伏に満ちており、メインストリートもゆったりとした坂道が多く、そぞろ歩きはそれなりに楽しいです。今もこの地方最大のマーケットタウンとして平日は活気に満ちているそうですが、訪れたのは日曜日で、どこも見事にシャッターが下りて、ひっそりとしていました。北アイルランドは、南に比べても、日曜日の静けさが際立っているように思います。町の周囲は典型的な農村地帯で、ここはそのマーケットタウンです。

ソール は、ダウンパトリックの郊外3キロほどの所にある小さな集落です。ここはセント・パトリックとのゆかりが深い場所で、彼が最初に建てた教会があるそうで、また彼が死んだのもここだと言われています。そんな場所だから、行けばそういったゆかりの場所を見られるかと思ったのですが、思った以上にひっそりした小さな村で、サインポストの一つもなく、何もわかりませんでした。写真下の教会は、それかなと思って撮ってきたものの、後で全然関係ないことを知りました。左はラウンドタワーを模した不思議な塔で、セント・パトリックの小さな像が祭られているものの、特に歴史的なものではなさそうです。

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