第十五回(ダウンパトリック) ホームページ リンクページ 第十三回(クロナキルティー)

今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第十四回 2005年7月  
バリナスロー BALLINASLOE

ゴールウェイは人気の観光地、といってもそれは市とその西側。ここ東ゴールウェイは、アイルランド有数の観光未開発地で、地味で素朴で保守的な土地柄。10月上旬の馬市では内外の人を集めるものの、それ以外は至って普段着姿の田舎町、バリナスローは、東ゴールウェイ有数のマーケットタウンです。


町並み も至って地味。特に暗い感じもなく、派手やかさもない、昔から変わっていないゴールウェイ東部地域を対象としたマーケットタウン、という雰囲気が濃厚です。ご覧の通り、天気の良くない日とはいえ、観光シーズンのピーク、7月に訪れたのですが、見かけるのはどう考えても地元の人ばかりという、観光立国アイルランドとは無縁な世界が広がっています。それでも、観光客ではなく、住んでいて働いていると思われる外国人の姿がちらほら見られるのが、昔とは違う点なのでしょう。

マーケット は、多くの町で健在。特に土曜日に開かれる所が多く、ゴールウェイ市のように観光客の方が多い場所もありますが、それはむしろ例外で、大概はここのように、地元の人向け。もともと近隣の農家が農産物を持ち寄って、食料品や日用品の物々交換といった感じで始まったのでしょう。安い物が多く、中には粗悪品もありますが、最近は農家が直接持ってくるオーガニック食品は高くても売れるなど、アイルランドにも徐々に健康ブームの高まりが見られます。国が急速に豊かになってきたこととも無関係ではないでしょう。

銀行 は、田舎町では、いやもしかしたら都会でも、教会と並んでアイルランドの町では最も立派な建物かもしれません。ここバリナスローでも、特に威厳があるわけではないけれども、どっしりした重厚なビルが今もその威容を誇っています。下がアイルランド最大のAIB銀行で、右がそれに次ぐ競争相手、バンク・オヴ・アイルランド。アイルランドでは、ちょっとした町ならこの2行が必ず店舗を構えています。

スーパーマックス がこの小さい町に3店舗もひしめいていたのにびっくり!でもこれもゴールウェイと思えば納得。アイルランドでもマクドナルドは人気。しかしあちらがアメリカ資本なのに対し、スーパーマックスは、100%アイリッシュ資本を売り物に、ゴールウェイを発祥に、アイルランド全土にチェーン展開しており、こちらもなかなかの人気。マクドナルドとの違いの一つは、アイリッシュらしく、チップスが太いことです。ちなみにバリナスローにはマクドナルドはありません。

 と言えばキルデア州が国際的にも有名。しかし、バリナスローは毎年10月に大規模な馬市が開かれるだけあり、周囲ではチラホラと馬の姿を見かけました。地元の人に聞いたところ、アイルランドの中では、多い地域だとは思うけど、キルデアほど際立ってはいないとのこと。10月の馬市も、ローカルでなごやかな馬のトレードのためのイヴェントのようです。

オックリム は、バリナスローから西へ車で10分足らずの隣村。殆どの観光客は何とも思わず通り過ぎてしまいますが、ここはアイルランド人なら誰でも知っている有名な古戦場。1691年のこの地での戦いはアイルランド史上最大級の合戦で、7月12日にアイルランド・カトリック軍が敗退したため、北アイルランドではプロテスタントによる勝利のオレンジパレードが今もこの日に行われるというほど、重要な歴史的意味を持つのです。村は非常に小さく、夏の観光シーズンなのに観光客の姿もありません。戦場の跡を示す標識がしっかり整備されており、立派な博物館まであるのに、訪れる人もまばらな寒村でした。

このサイトはリンク・フリーで、リンクを歓迎いたします。リンクは表紙ページにお願いいたします。なお、サイトの無断転載や、写真の無断使用などは、固くお断りいたします。
Copyright 2005 さっさり

第十五回(ダウンパトリック) ホームページ リンクページ 第十三回(クロナキルティー)