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今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第八回 2004年12月  
キャシェル CASHEL

アイルランド最大の内陸州、ハーリングの故郷としても知られる農業の州、ティペラリー。そのほぼ中央部にあるキャシェルは、緑に囲まれた小さな町。アイルランドの町では珍しく、川が流れていません。訪れた日はあいにくの雨で陰鬱な空模様したが、これぞ典型的な12月のアイルランドです。


ロック・オブ・キャシェル は、この町最大の、というより、恐らくティペラリー州随一の、多分アイルランドの内陸でも有数の観光資源。こんなシーズンオフでもオープンしており、それなりに観光客の姿も。名前の通り、岩山の上に聳えており、どの方角から来ても、車がキャシェルの町に近づくと前方にその威容を現します。700年以上もの間、マンスター王の居城だったなど、幾多の歴史を経た重要な史跡です。

ホア・アビー は、ロック・オブ・キャシェルの裏手、牧草地の中にあるシトー派修道院の廃墟で、キャシェルのもう一つの中世遺跡。残っている部分の殆どは13世紀の築で、塔だけは15世紀に追加されたそうです。町から歩いても僅かの距離なのに、周囲は一面の牧草地で、この寒々しい冬でも緑に囲まれているのが、寂しい風景を救っています。この周囲がアイルランド屈指の農牧業の盛んな地域だからですが、キャシェルの町が小さいことの証でもありましょう。ここは無料でいつでも立ち入ることができます。

城壁 は、この小さい町にも一部残っており、ここもかつて、外敵から守るために壁に囲まれていた町だったことがわかります。この壁が残っているのは、アングリカンの大聖堂教会の裏手で、冬の薄暗い夕方、人の気配もなく、寂しい寂しい薄気味悪い雰囲気、壁に埋め込まれた彫像が、表情は穏やかなのに、この雰囲気の中では、何だか迫力を持って訴えかけてくるような気がしました。

ボホーン・スコア というアイリッシュな名前のコテージは、17世紀半ばの貧農の家の復元。1987年に堀淳一氏のアイルランド紀行「霧のかなたの聖地」で紹介されています。堀氏も歩いていて偶然見つけたのですが、このように町をはずれた道路沿いにぽつんとたたずむ、不思議極まる家です。堀氏が訪れた時は入場料を払って見学できたのですが、残念ながら現在は一般公開されていないそうです。

キャシェル・パラス・ホテル は、町の中心にどっしりとした構えを見せる、キャシェル随一の高級ホテルで、名前の通り、もともと宮殿のようなお屋敷です。宿泊はいかにも高そうですが、ちょっとお茶だけ、という時は、右手の小さな門から、パブに入ることができます。パブも小さくて、これでは観光シーズンはどうなるのかと思いますが、今は地元のお年寄りがゆったり食事をしたりしていて、暖炉の火とともに情緒たっぷり。


B&B は、町の中、メインストリートとロックの間を中心に、いくつもあります。B&Bとは、Bed and Breakfast の略で、イギリスで発展したらしいのですが、アイルランドでも大概の場所で見かけるカジュアルな宿泊施設、日本でいう民宿に近いでしょう。流石に12月の閑散期、空室は山ほどあるようでしたが、この時期は休んでしまう所も多いので要注意です。

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