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今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第六回 2004年10月  
リムリック LIMERICK

はっきり言ってアイルランドで最も悪評高い街、リムリック。「アンジェラの灰」でも有名になりましたが、そこでも貧しさが必要以上に強調され、かの名作も地元では不評だそうです。しかし歴史的にはアイルランド有数の古都で、今は古さとモダンさがミックスした産業都市。名実ともに共和国第三の都会です。


オコンネル・ストリート が街の中心をなすメインストリートなのは、ダブリンと同じ。一直線でそれなりに広い道ですが、車は一方通行。両側は商店街で、なかなか賑やかです。このあたりは、比較的新しい時代に発展したため、道路は計画的にまっすぐ碁盤目に作られています。京都や札幌と同じです。細い路地がくねくねとあって、両側に小さなお店の並ぶ可愛い街が、アイルランドっぽくて絵葉書にもなりやすいのですが、リムリックはそれがないので、観光的に不人気なのでしょう。でも先に行けば行くほど、ジョージアン調のビルが沢山残っていますので、アイルランドの街らしさは味わえます。

クランシーズ・ストランド は中心部の対岸にある、シャノン川に沿ったとても雰囲気の良い散歩道。リムリックは、シャノン川が海抜ゼロメートルの地点に流れ落ちる地点にできた街で、ちょうどこのあたりまで、潮の干満の影響を受けるので、訪れる時によって水量が全然違います。すぐそこが市街地なのに、カモメや白鳥がいて、サケやマスが釣れます。この道を歩いて上流に行くと、1691年に、その上でリムリック条約が締結されたと言われる「条約の石」があります。

キング・ジョン城 は、アイルランドではかなり立派なノルマンの城。完成は1216年で、今もシャノン川を見下ろす地点にどっしりと存在しています。勿論、今は観光地としてオープンしており、ビジターセンターとなっているのですが、その建物がとてもモダンで評判が悪いのです(写真下)。けれどもできた当時、何やら建築の賞をもらったそうです。入場料の割に大したことないという感想を持つ人も多いようですが、天気が良ければ城の上からシャノン川の眺めが見事です。

セント・メアリー大聖堂 は、リムリックに現存する最古の建物で、1168年にマンスター王が開いたとされます。プロテスタントの大聖堂で、それほど遠くない所には、カトリックのセント・ジョン大聖堂もあり、そちらはアイルランドの教会で一番高い、高さ85メートルの尖塔を持つなど、2つの大聖堂は、観光名所としても重要。このあたりは、大昔の市街地ですが、時代と共に市街地が移動し、今はちょっとうらぶれた雰囲気が漂っています。

城壁 が一部に残っています。中世のアイルランドでは、主要都市は大体において城壁に囲まれた要塞都市で、ここも例外ではありません。今はごく一部しか残っていませんが、セント・ジョン大聖堂に近い、サリーポートというパブの庭が、この城壁沿いの散歩道の入口です(写真下)。


路上駐車 は、パーキング・ディスク方式。町によって違うものの、アイルランドではこのパターンが多く、パーキング・メーター採用都市は少数派。リムリックは産業都市のためか、観光都市に比べて有料の時間帯が短く、商業地区以外は土曜は無料。中心に近い所はディスク1枚で1時間、離れると2時間、そして一部4時間停められる所もあります。昔は本当の中心部以外は無料でしたが、段々郊外までディスクパーキングエリアが広がっています。しかし、知る人ぞ知るミルレーン(写真右下)だけは、本当の中心部なのに除外、つまり無料。何故かって、警察署の横だからです。通勤する警察官が無料で停められるスペースなんですね。でも勿論、誰でも停められます。ただ、大人気で、平日の昼間に空いていることは滅多にありません。深夜や早朝に勤務開始する警察官への便宜として、無料のまま温存されているのだと思われます。

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