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今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第五回 2004年9月  
ミドルトン MIDLETON

コーク市にほど近いミドルトンは、言わずと知れたアイリッシュ・ウィスキーのふるさと。古い蒸留所跡がヘリテージセンターとなり、大勢の観光客を集めています。他方でここは、古くからこの地域のマーケットタウンでもあり、そしてコークへの通勤圏として新興住宅が増えているなどの違った側面も見られます。


蒸留所 のうち古い方は、1975年に閉鎖され、新しいモダンな工場に引き継がれました。旧蒸留所跡はジェムソン・ヘリテージ・センターという博物館としてオープンし、一年中大勢の観光客が訪れています。見学ルートは、最初にアイリッシュ・ウィスキーの歴史などを解説するビデオ、続いてガイドについて古い蒸留所内の見学ツアー、そして最後は場内のパブで、ジェムソン・ウィスキーを1杯。というわけで、折角のウィスキー試飲券つきなので、車で訪れる人は、酔いをさますまでの時間を計算に入れて行きましょう。そうでないと、入場料に含まれているウィスキーを味わうことができなくなりますから。

麦畑 が、町からすぐの所、ダンゴーニーに向かって1キロぐらいの所にありました。丘ごしに今の蒸留所の工場まで見通せるような所です。これはウィスキーの原料として使われている大麦に違いないでしょう。上のジェムソン・ヘリテージ・センターのツアーでも説明がありましたが、そのコートヤード(上の写真の左)は、その昔、地域のファーマーが大麦などの収穫物を馬車に積んで納品した場所だそうです。

 の水は綺麗です。綺麗な川は、ウィスキー蒸留所に不可欠。ダブリンの蒸留所がいち早く閉鎖に追い込まれたのも、都市化の進展によるリフィー川の汚濁と無関係ではないでしょう。その点、ここミドルトンに流れ込む2つの川、ダンゴーニー川とオゥエナカラ川は、どちらも近郊の田舎から発する短い川で、汚染される間もなくミドルトンに流れ落ちてきている、という感じです。

メインストリート は、本当にそういう名前の単純な命名です。その入口にあるAIB銀行(写真右)は、1899年築の立派な建物。ちょうど中ほどにあるタウンホール(写真下の中央)は、立派な時計台のある由緒ある建物ですが、今は町の図書館になっていました。ミドルトンは東コーク地域のマーケットタウンとして、それなりの活気を保っているようです。

ミドルトン駅 は、かつてコークからヨールまで通じていた鉄道の途中駅でしたが、廃止になって久しく、廃駅が荒れ果てた姿で、しかし往時の面影を十分とどめて今も残っています。近年、コーク市の都市圏拡大や渋滞の悪化に伴い、コークからここまでは通勤等の輸送需要があり、鉄道復活という話も出ているそうです。そう聞いていたものの、訪問した限り、その気配は全くもって感じられませんでした。

マーフィーズ は、コーク州を代表するローカルなスタウトビール。コークの人はダブリン産のギネスなど飲まずもっぱらマーフィーズを、というのは、コーク人の反骨気質を誇張して語る時に良く言われますが、もちろん実際はそこまでのことはありません。ただ、ミドルトンのような田舎町は、コーク市内に比べて、パブの看板の「マーフィーズ率」が概して高いようです。町にあるこれらのパブには、少なくとも店の外にギネスの看板は出ていませんでした。

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