第十二回(カーロウ) ホームページ リンクページ 第十回(キルベガン)

今月のアイルランド

IRELAND THIS MONTH 今月のアイルランド
第十一回 2005年3月  
ニナ NENAGH

ティペラリー州は行政上南北にさらに2つに分かれ、2つの州都を持つカウンティー。ニナはそのうち北ティペラリーの州都で、周囲に肥沃な農業地帯を控え、小さいながら、そこそこの活気を保つ、典型的なアイルランドのマーケットタウンです。


ニナ城 は、廃墟ながら、アイルランドでは珍しい円筒型の天守閣(キープ)がほぼ完全にその姿をとどめています。町のシンボルでもあり、どこからでも良く目立つのですが、訪れる人も少なく、観光地として整備される気配も全くありません。敷地内にはいつでも自由に入れますが、城の中は危険ということで立入禁止、入口もふさがれています。

町並み は明るく、小さな町にしてはなかなかの活気。小さい商店街にはそれなりの人が歩いていて、郊外のショッピングセンターに客を奪われて寂れていくどこかの国の商店街とは少し違うようです。下の写真のように、買い物に来た人の車か、渋滞もしっかりあります。これでも数年前に国道のバイパスができて、通過する車が町に入ってこなくなったので、町の道路事情はずいぶんと改善された筈なのですが。

乳製品 は、アイルランドの伝統的な主要産業の一つで、この町にもその工場があります。産地との距離が近いので、さぞかし新鮮な製品を作ることができるのでしょう。北ティペラリーは、アイルランドの中ではプロテスタント人口の比率がやや高く、その多くは、かつてアイリッシュから肥沃な土地を奪ったアングロサクソン系の子孫だという話もあります。つまりこの周囲はそれほど魅力的な、肥えた土地なのです。

若葉 がそろそろ出始める3月。まだ肌寒い冬の延長のようなアイルランドも、大体セントパトリックスデーの頃から、徐々に春らしくなってきます。ご覧のように、もう一息で新緑といった木々もあれば、まだつぼみがちょっと固いかなという木々もあるのが、3月後半のアイルランド。勿論、年にもよりますし、地域差も若干ありますが。

標識 のうち、地名のオフィシャルなものは、必ずアイルランド語との2ヶ国語表記。その多くはもうだいぶ昔にキロメートル表示になっているものの、ご覧の古いタイプの標識は、マイル表示。最近は段々減ってきた感じがしますし、アンティーク屋などで売られていたりもしますが、それでもまだあちこちで現役。同じ場所にマイルとキロの標識がミックスしていることもあります。ニナの周囲で見かけたこの2ヶ所は、どちらもマイルの標識がかなり綺麗に残っていました。下の4つは見事にマイル時代のものですが、1つは距離が書いていません。右の5つのうち、ニナだけが新しいキロ表示で、残りはマイル。こちらにも距離のないものが一つありますが。

ドロミニア は、ニナから車で10分ほどの郊外にあり、その昔はニナの外港として栄えた港。シャノン川が湖となったロック・デーグにある波止場の一つで、その昔、ニナに鉄道が開通する以前は、ニナの物資輸送はこの港からの海路に頼るところが大きかったそうです。ここから上流へ行き、途中で運河に入れば、ダブリンまで船で行けるのです。今はご覧の通り、観光クルーズ船の基地の一つで、のんびりした小リゾート。ホテル1つと、パブとB&Bが数軒、民家がパラパラ、といった小さな村に過ぎません。
このサイトはリンク・フリーで、リンクを歓迎いたします。リンクは表紙ページにお願いいたします。なお、サイトの無断転載や、写真の無断使用などは、固くお断りいたします。
Copyright 2005 さっさり

第十二回(カーロウ) ホームページ リンクページ 第十回(キルベガン)